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映画の「ポストプロダクション」とは?映画のクオリティを上げるために欠かせない「ポスプロ」を徹底解説

映画の「ポストプロダクション」とは?映画のクオリティを上げるために欠かせない「ポスプロ」を徹底解説

「ポストプロダクション」とは、映画作りの「仕上げ」工程の事です。

映画の現場ではよく略して「ポスプロ」等と呼ばれますが、撮影前の準備段階(「プリプロ」)に対し、「ポスプロ」はより専門的でマニアックな作業。

それだけに一般には馴染みが薄いパートですが、映画のクオリティを上げるためには欠かせません。

あらゆる映像において「プロ」と「アマチュア」の差はこのポスプロ作業で決まると言っても過言ではないでしょう。

ここでは、その中から代表的な3つの作業を紹介させていただきます。

1.編集作業~スキルとセンスを駆使して、映像を完成形へ!~

映画の「ポストプロダクション」とは?映画のクオリティを上げるために欠かせない「ポスプロ」を徹底解説

撮影が終わると、撮られた映像(素材)は「編集技師」のもとへと届けられます。

編集技師とは文字通り編集作業(エディット)を行う専門家(エディター)の事で、その仕事は編集ソフトを駆使して素材を「カッティング」し、余分な部分を除いて映像をつないでいく事です。

なんだか単調そうに聞こえますが、現場で撮影された映像が面白くなるかどうかはひとえにこの編集作業にかかっています。

どんなにカッコいいアクションや感動的な演技でも、上手く編集されなければその魅力は台無しです。

編集技師とはスキルや知識だけでなく、映像で人を楽しませるセンスによって映画を完成形に仕上げていく職人のような存在なのです。

2.音響作業~映像を立体化し、ドラマを作り上げる!~

映画の「ポストプロダクション」とは?映画のクオリティを上げるために欠かせない「ポスプロ」を徹底解説

かつて、世界中を熱狂させた「スター・ウォーズ」や「地獄の黙示録」。

これらの映画は映像的にもさる事ながら、それまでの観客が体験したことのない「音」を作り出したことによって映画史に残る名作となりました。

映像だけでは、映画の内容を観客に伝える事はできません。

音作りもまた、ポストプロダクション機関の重要な仕事なのです。

映画に必要な音は現場で録音したものだけではありません。

大事なセリフを録音しなおす(アフレコ)こともあれば、現場では録音できなかった効果音(フォーリー)や音楽、ジャンルによっては爆発などの特殊な音(SE=サウンド・エフェクト)を追加するなど、映画を完成させるためには様々な音の素材が必要なのです。

それらの音を揃えたら、今度は整音作業(耳障りなノイズなどの除去)を行い、MA(Multi Audio)と呼ばれる作業でようやく映像に合わせて音を完成させていきます。

映画というとついつい映像のことに目がいきますが、実は観客が感動するドラマを作り上げているのはこの音響作業でもあるのです。

3.カラーグレーディング作業~色彩専門家「カラリスト」による最終仕上げ!~

映画の「ポストプロダクション」とは?映画のクオリティを上げるために欠かせない「ポスプロ」を徹底解説

「編集」「音響」などの言葉は多くの人がなんとなく聞いたことがあるかもしれません。

しかしこの「カラーグレーディング」という言葉には、聞き覚えのない方も多いでしょう。

たとえばバラエティ番組等のTVの映像と、劇場で観る映画の映像は同じ実写でも大きく印象が異なります。

これはカメラや照明の違いももちろんありますが、映画の場合このグレーディングの工程で「色の編集」が行われているからなのです。

たとえばホラー映画などの一場面を思い返してみる時、何となく画面全体が青っぽい寒々とした色になっているイメージが浮かぶのではないでしょうか?

これは寒色系のカラーが観客に不安や恐怖を感じさせるため、多くのホラー作品でカラーグレーディングによって映画の色が青っぽく加工されているからなのです。

その他、人の肌の色によってその人物の心理を、陽の光の色によってその場面の時間帯を、草木の色によってその物語の季節を伝える等、様々な用途に合わせてカラーグレーディングは行われます。

近年ではこうしたグレーディング用の編集ソフトが個人でも使いやすくなってきたため、「カラリスト」と呼ばれるグレーディングの専門家がますます増えていく事でしょう。

ポストプロダクションは映画の制作工程の中でも裏方的な側面が強い部門ですが、実は映画の完成に最も近い非常にクリエイティブなパートといえます。

上記の部門以外にも、CG合成などの特殊効果を手掛ける「VFX」作業等が存在し、その他の映像メディアとは一味違った映画の世界を作り上げているのです。

専門学校で学べること・入学するメリット

最新テクノロジーの知識と、独自のセンスを発揮するクリエイティブ能力が必要とされるポストプロダクションの世界。

専門学校では、普段なかなか触れることのできないポストプロダクションの工程を実際の現場で活躍する第一人者の下で経験できます。

近年も多くの映画が作られる中で、仕上げの現場は常に即戦力の人材を欲しています。

映画の制作過程に興味を持たれた方はぜひ専門学校でそのスキルを身につけ、映画の世界に飛び込んでみてください!
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