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Interview

就職した先輩たち_映像ディレクター 相笠 文寿 さん

業界で活躍する卒業生に聞きました

映像ディレクターとして活躍する相笠さんに、学生時代の思い出、仕事への取り組み方について語っていただきました。

映像ディレクター

相笠 文寿 さん

Aigasa Fumihisa

2007年卒業

1985年、東京都生まれ。

FC卒業後、テレビ番組制作会社に就職。

2007年に地上波キー局で放送していた老舗旅番組のスタッフとして映像業界でのキャリアをスタート。

「鉄道ひとり旅」では撮影・編集・ディレクションを担当。

発想の切り替えや表現の多様性を学ぶことができた

誰と接しても刺激をもらえる濃密な学生生活

相笠文寿さん
現在のお仕事について、詳しくはどんなお仕事を行っていますか?
また、本格的に現在のキャリアを目指すようになったきっかけを教えてください。

主に映像ディレクターとして、テレビ番組やアニメ作品のPR映像・メイキング映像などのディレクション・制作を行なっています。 子どもの頃からテレビで放送されるバラエティ、アニメ、映画を観ることが好きで、中〜高校生になると特に実写映画に惹かれていきました。

 高校卒業後の進路を考え始めた頃には「映画を観るのと作るのは別物」という固定観念が頭にあったんですが、偶然インターネットでこの学校の存在を知り、「一度は映像の世界に挑戦してみたい!」という思いが芽生えたのが現在のキャリアを目指すきっかけでした。

進学先として「東京俳優・映画&放送専門学校」を選んだきっかけや理由を教えてください。

オープンキャンパスで短編動画を撮る体験授業に参加をしたのですが、短い時間の中でも映像を作ることの楽しさを実感できたことと、充実した撮影機材に触れられたことで「この学校なら座学だけじゃなく、実践的な映像制作を学べるんじゃないか」と思えたことが決め手です。
あとは都内在住だったので単純に通いやすかったという面もあったかなと思います。

入学後の「学校生活」で、印象深いご経験はどんなことがございましたか?

学生同士でチームを組んで映像制作に参加したりもしましたが、わりと普通に授業を受けてクラスメイトと過ごした時間が楽しかったです。
とにかく同期生に個性のある人が多くて、誰と接しても刺激をもらえる濃密な学生生活でした。

本校での思い出深い「授業」はなんですか?また、校外での授業や参加したプロジェクトを教えてください。

現職で撮影、編集を自分で行うことが多いので「撮影」の授業でカメラの扱い、「編集」の授業で編集ソフトの扱いを学べたことは仕事を始めたときに役立ちました。

矛盾した状況を面白がることで、すごくいい経験に昇華できた

相笠文寿さん
在学中に影響を受けた人物や、作品などがございましたら、教えてください。

同期にいろんな趣味を持つ人が多くて、そこで教えてもらった芸人のラーメンズに学生時代は影響を受けました。
単独公演のビデオをレンタルして学校で観たり、シナリオを書いて俳優科のメンバーと練習し、秋の学園祭で短編のお芝居を上演したりしました。

どんな就職活動を行いましたか?また、入社の決め手はなんでしょうか?

就職担当の先生と面談して色々な企業を紹介してもらったり、自分でインターネットで興味のある会社を調べて面接を申し込んだりしました。
そんな中で学校が薦めてくれた企業の採用担当者の方と複数回面談をさせて頂き、入社前の不安を解消してテレビ番組の制作会社に就職する事ができました。

近年で、印象に残る思い入れの強い作品やプロジェクトは、どんなものですか?

2011年にスカパー!鉄道チャンネルで放送開始した『鉄道ひとり旅』という旅番組のほぼ全話をディレクターとして担当しています。
ロケのスタッフは自分のみで、撮影や録音を行いながら現地の取材先との事前調整も全て一人で行います。
学生時代の自主映画制作よりも少人数で、学校で学んだ総合的な映像制作の知識や技術がそのまま活かされています。
これまでにクラウドファンディングで番組のDVDを制作したり、2021年には放送開始10周年を迎え、2022年には番組にまつわるトークライブを開催するなど、非常に思い入れの強い作品です。

そんな『鉄道ひとり旅』をはじめとした鉄道テーマの作品にこれまで多く携わってきたことがきっかけで、2022年1-3月放送のテレビ東京のドラマ『鉄オタ道子、2万キロ』ではスピンオフミニドラマ『鉄オタのぞみ、50キロ(全12話)』の監督を務めました。

コロナ禍でのご活動を教えてください。また、この大変な時期に学びになったことなどはございますか?

以前から全国各地にロケに行くことが多かったので、コロナ禍では他府県への移動自粛などの影響で方針転換を余儀なくされました。(現在はコロナ前と変わらない状況まで戻っています)
自分が担当している『鉄道ひとり旅』の場合、「地方」の「鉄道に乗る」のが醍醐味だった旅番組を、他府県への移動を自粛しながらどうやって成立させられるかを考えて、辿り着いたのが「都内」で「鉄道に乗らない」旅番組でした。

これを“東京さんぽ編”というサブタイトルで何話か披露したところ意外にも評判がよく、他府県への移動自粛期間を乗り切ることができました。
これも“鉄道に乗らない鉄道旅番組”という矛盾した状況を面白がることで、すごくいい経験に昇華できたなと思っています。

些細なことでも面白がれるようになれたら

相笠文寿さん
ご職業について、いつも意識している、大切にしていることはなんでしょうか?
また、この業界で求められる人材・能力とはなんでしょうか?

自分の場合は関わるプロジェクト毎に、“自分が特に面白がれたり楽しめる要素を見つける”ことを大切にしています。
仕事を始めたばかりの時期は右も左もわからず、仕事を楽しむことが難しいかもしれませんが、何事にも興味をもって些細なことでも面白がれるようになれたら若手としては最強だと思います。

今後の目標を教えてください。

この仕事を続けている根本にあるのは、『人に喜んでもらいたい』という気持ちです。
これからも大なり小なり様々なプロジェクトを通じてその道を追い求めていきたいと思っています。
自分が最初に心惹かれた実写映画の世界もその道の先で繋がっていると信じています。

エンターテイメント業界をめざす後輩たちへメッセージをお願いいたします。

自分は学生時代、現役で活躍する講師の方々の話を聞いたりドラマの現場にインターンで参加をしてみて、正直「この業界向いてないな…」と思いました。
それでも学校を卒業して映像の業界に進んだ理由は、「この業界に向いていない。でもだからこそ、そんな自分ができる新しい表現があるんじゃないか」という発想の切り替えや表現の多様性をこの学校で学ぶことができたからだと思っています。
そして2007年にこの学校を卒業し、これまでに500本以上の作品にディレクターとして参加してきました。(ずっと業界適正のないまま、シュールな作品を作り続けています)

これからの進路を考える皆さんも目指したい業界に「自分が向いているのか」で不安になることがあるかもしれませんが、まずは“好きな気持ちに正直に”一歩前に踏み出してみると新たな可能性が見えてくると思いますので、その「歩み」を応援しています!

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